【知らなかったでは済まされない!】高度外国人材の不法就労問題

突然ですが、「不法就労」というワードを耳にしたことはありますか?

不法就労によって外国人労働者が逮捕されたり、経営者が不法就労助長罪で逮捕されたり、というニュースが近年増えています。

日本では外国人雇用が増加すると同時に、外国人の不法就労が問題になっています。

そこで本記事では、高度外国人材(特に「技人国」)の不法就労の実態と、企業が知っておくべき注意点についてお伝えしたいと思います。

目次
はじめに~高度外国人材とは~
不法就労の実態
知っておくべき注意点
まとめ

はじめに~高度外国人材とは~

政府が発表している報告書では、高度外国人材について以下のように定義されています。

日本の産業にイノベーションをもたらすとともに、日本人との切磋琢磨を通じて専門的・技術的な労働環境の発展を促し、日本労働市場の効率性を高めることが期待される人材

簡単にいうと、専門的な知識やスキルを持った外国人のことです。

在留資格では、

「高度専門職」「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」「法律・会計業務」に該当します。

彼らが日本で働くことで、海外とのビジネスのさらなる拡大や、研究開発を通じたイノベーションの創発などが期待されています。

高度外国人材についておさえておきたい大切なポイントは、【単純労働への従事が禁止されていること】です。

しかしながら、高度外国人材でありながら単純労働をしている労働者が存在するというのが現状なのです。

今回は、特に在留資格「技術・人文知識・国際業務」について不法就労の実態を紹介します。

★「技術・人文知識・国際業務」については、前回の記事で紹介していますので参考にしてください。

不法就労の実態

「不法就労」に該当するケースは次の3点が挙げられます。

1. 不法滞在者や被退去強制者が働くケース
2. 出入国在留管理局から働く許可を受けていないのに働くケース
3. 出入国在留管理局から認められた範囲を超えて働くケース

「技人国」の不法就労に関しては、3点目に挙げた「出入国在留管理局から認められた範囲を超えて働くケース」が該当します。

つまり、「認められた範囲を超えて働く」=「単純労働に従事する」=「不法就労」ということになります。

「技人国」の不法就労には以下のような事例があります。

1. ホテルのフロントで通訳業務ではなく、ベッドメイキングをさせた
2. 建設業で技術者としての設計や管理ではなく、設備取り付けや塗装作業をさせた
3. 工場ラインで部品の組み立てや包装作業をさせた
4. 飲食店でキッチン補助や配膳をさせた

これらの業務は専門的な知識や技術を必要としない単純労働に分類されます。

「技人国」人材にこのような単純労働をさせてしまうと、企業は「不法就労助長罪」に問われ、最長3年の懲役、最大300万円の罰金が科されます。

さらに、違反した外国人だけでなく、既に雇用しているその他全ての外国人の就労ができなくなると同時に、今後の外国人雇用もできなくなる可能性があります。

知っておくべき注意点

最後に、高度外国人材を雇用する企業が知っておくべき注意点を紹介します。

  • 在留資格の確認

雇用する外国人材が、自社で就労できる資格を持っているかどうか、よく確認しましょう。

在留資格を持たない外国人を就労させることは不法就労および不法滞在になるため注意が必要です。

  • 業務範囲を確認

雇用する高度外国人材の在留資格に認められている業務・禁止されている業務にはどのようなものがあるか、よく確認しておきましょう。

「知らなかった」では許されません。

繰り返しになりますが、高度外国人材には単純労働への従事が認められていないことをおさえておきましょう。

  • 採用時に業務内容を明確に伝える

業務内容のミスマッチを防ぐため、採用の際には従事する業務の詳細を明確に伝えましょう。

経営者・労働者の双方で確認し合うことで、気付かないうちに単純労働へ従事させていた / していたリスクを抑えられる可能性があります。

不明点がある場合は、必ず入管や行政書士などの専門家に確認するようにしましょう。

まとめ

今回は、「技人国」人材の不法就労の実態と、企業が知っておくべき注意点を紹介しました。

高度外国人材を雇用する際は、従事させる業務範囲をよく確認しておくことが重要です。

今後の記事では、技能実習生の不法就労の実態についても紹介していきます。

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