在留資格「技人国」って何?

外国人材が日本で働くための在留資格のひとつとして「技人国」がありますが、申請要件や業務内容の詳細までご存じでしょうか?

本記事では、「技人国」の要件や業務内容、雇用の際の注意点を解説していきます。

目次
在留資格「技人国」とは?
業務内容の例
申請要件
注意点
まとめ

在留資格「技人国」とは?

在留資格の名称
技術・人文知識・国際業務
目的
母国で培った専門知識や技術を日本へ還元すること
在留期間
3か月 / 1年 / 3年 / 5年

「技人国」は、正式名称を「技術・人文知識・国際業務」といいます。

外国人が日本で働くことで、彼らが持つ専門知識や技術を日本へ還元することを目的とした在留資格です。

厚生労働省の発表によると、2023年10月時点で約36万人以上が「技人国」の在留資格を取得しています。

学歴(職歴)と業務内容との関連性があることが要件で、
本人がこれまで学んできた知識や仕事で培ってきた経験やスキル、母国の文化や言語に関する知識が活かせる業務内容でないといけません。

国内外の大学または日本の専門学校を卒業した外国人材のうち、約75%が「技人国」の資格を取得して日本で就職しているといわれています。

業務内容の例

業務内容は、「技術」「人文知識」「国際業務」それぞれの分野ごとに異なります。

  • 「技術」

はじめに「技術」は、「理学、工学その他の自然科学の分野に属する技術を要する業務」とされています。

技術
  • 情報工学のシステムエンジニア
  • プログラマー
  • 精密機械器具の設計・開発
  • 建築系エンジニア
  • 航空機整備
  • 動車技術開発 など
  • 「人文知識」

次に「人文知識」は、「法律学、経済学、社会学等、その他人文科学の分野に関する知識を要する業務」とされています。

人文知識
  • 企画
  • 営業
  • 経理
  • 人事
  • 広報
  • コンサルティング
  • マーケティング など
  • 「国際業務」

最後に「国際業務」は、「語学力や外国の文化、国際経験等を要する業務」とされています。

国際業務
  • 通訳
  • 翻訳
  • デザイナー
  • 貿易業務
  • 語学教師
  • 航空旅客業務 など
ここまでみてきたように、「技人国」の在留資格は、外国人材の専門性を活かすことを目的としており、外国人はホワイトカラーの職業に従事することが多いのが特徴です。

しかし、母国で上記の職種に就いていれば日本で「技人国」の資格を取得できるというわけではありませんので注意が必要です。

ここからは、「技人国」の申請要件についてまとめます。

申請要件

  • 学歴
    • 海外か日本の大学を卒業、もしくは日本の専門学校卒業以上
    • 海外の大学卒の場合、「日本の大学卒に相当する」ということを証明する必要があります。海外の専門学校卒では、学歴の条件は満たせません。
    • また、学校では従事予定の業務に関連する分野を専攻している必要があります。
  • 職歴
    • 「技術」「人文知識」では職歴(実務経験)10年以上
    • 「国際業務」は3年以上

さらに、外国人本人を審査すると同時に、受け入れる会社についても審査をします。

  • 会社の経営状態
    • 決算書もしくは事業計画書を提出し、安定的かつ継続的に外国人材を受け入れる基盤があるかどうか審査されます。
  • 雇用の必要性
    •  十分な業務量が見込まれない場合や、必要性がない場合には許可が出ません。

雇用時の注意点

技人国の人材を雇用する際は、業務内容と報酬額に注意が必要です。

  • 単純労働は禁止
    • 業務範囲に注意しましょう。「技人国」は、技術や知識が不要とされる単純労働は業務として認められていません。
  • 報酬
    • 日本人社員と同等かそれ以上の報酬が必要とされます。

まとめ

本記事では在留資格「技人国」について解説しました。

外国人材を採用する際は、在留資格で認められている業務かどうかをしっかりと確認することが大切です。

今後の記事では、引き続き外国人材に関するトピックを紹介していきます。

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