日本語能力試験 – JLPTって何?

外国人労働者を採用する際、日本語レベルを知るための指標のひとつとして、日本語能力試験があります。

本記事では、日本語能力試験の特徴や知っておきたい注意点について解説します。

目次
基本情報
1. 受験者数
2. 日程と場所
3. 認定の目安と難易度
在留資格ごとの要件
外国人採用における試験活用の注意点
まとめ

基本情報

日本語能力試験(JLPT – Japanese-Language Proficiency Test)は、日本語を母語としない人を対象に、日本語能力を測定し、認定することを目的とした試験です。

  1. 受験者数

2023年時点で総計120万人以上が受験しています。

2021年7月から過去6回の試験に関する応募者数・受験者数は以下の通りです。

実施年月実施国・地域数応募者数受験者数
 2021年  7月26387,371335,915
 2021年 12月69420,210348,992
 2022年  7月53426,225356,505
 2022年 12月82506,293431,449
 2023年  7月55698,062602,140
 2023年 12月85782,961663,295

参考:「過去の試験のデータ」 日本語能力試験ホームページ

実施国・地域数の増加に伴い、受験者の数は増加傾向にあります。

  1. 日程と場所

日本語能力試験は、年に2回(7月と12月)実施されます。

2024年度は、

第1回 7月7日(日) 
第2回 12月1日(日)

に開催されます。

国内では全国47都道府県、海外では約80以上の地域で実施されています。

参考までに、アジア地域の実施国は以下の通りです。

東アジア韓国、中国、台湾、モンゴル
東南アジアミャンマー、ラオス、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ
南アジアインド、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、ブータン、モルディブ

※地域によっては、1年に1度のみ実施の場合もあります。

  1. 認定の目安と難易度

日本語能力試験にはN1、N2、N3、N4、N5の5つのレベルがあります。

最も難しいレベルがN1、最も易しいレベルがN5です。

日本語能力試験のレベルが高いほど、求められる単語や文法などの知識レベルも高くなります。


各レベルの目安

N1幅広い場面で使われる日本語を理解することができる
N2日常で使われる日本語が理解でき、その以外の場面で使われる日本語もある程度理解できる
N3日常で使われる日本語をある程度理解できる
N4基本的な日本語を理解することができる
N5基本的な日本語をある程度理解することができる

N1・N2では、「日常生活の幅広い場面での日本語」の理解度を測ります。

N4・N5では、主に「教室内で学ぶ基本的な日本語」の理解度を測ります。

そしてN3は、N1,2とN4,5の橋渡しのレベルとされています。

日本語能力試験では、日本語を「読む」「聞く」問題と、文字・語彙・文法などの知識が問われ、受験者の日本語能力を認定します。

公式ホームページで公開されている実際の問題例を確認しておくと、レベルごとの難易度がイメージしやすくなります。

在留資格ごとの要件

「特定技能」:N4相当
「育成就労」:N5相当

「特定技能」では入国時に日本語能力試験N4相当が必要です。

また、現行の「技能実習」には事前の日本語能力要件は原則ありませんが、

政府が2027年より実施を発表している「育成就労」制度では、N5相当が要件とされています。

外国人採用における試験活用の注意点

試験のスコア=実際の会話力のレベルではない
採用後も日本語教育が必要

日本語能力試験の各レベルに合格していても、会話力が目安とされるレベルに達していないように感じられる場合があります。

日本語能力試験はマークシート方式で、会話力をテストするものではないからです。

そのため、どのレベルに合格しているかはあくまで目安と捉え、実際の会話力は面接で確認することが望ましいです。

また、N4,N5レベルの人材は採用後にも日本語教育を行い、業務に必要な用語や、生活する上で必要な日本語の知識を身に付ける必要がありますので、継続して日本語を勉強できる環境を整えることが重要です。

まとめ

本記事では、日本語能力試験について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

「特定技能」や「育成就労」の制度で外国人を採用する際に関係する資格であるため正しく理解しておきましょう。

次回の記事では、実際の問題例をもとに日本語能力試験をより詳しく紹介します。

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