技能実習・特定技能どちらがいい?

~それぞれのメリット・デメリットを解説します~

近年の少子高齢化による労働者不足の影響で、日本における外国人雇用は増加傾向にありますね。

外国人採用を始めたいけれど、技能実習・特定技能どちらの在留資格で受け入れたらいいのか分からない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、外国人採用の際に参考にしていただきたい、技能実習・特定技能それぞれのメリットとデメリットを解説していきます。

前回の記事では「技能実習・特定技能の7つの違い」をまとめているので、そちらも参考にしてくださいね

目次
おさらい ~技能実習・特定技能の違いとは~
それぞれのメリットとデメリットは?
1. メリット
2. デメリット
まとめ

おさらい ~技能実習・特定技能の違いとは~

技能実習と特定技能はよく混同されがちですが、両者はまったく別の在留資格です。

 
技能実習
特定技能
1. 目的
技能移転を通じた国際貢献
「日本で技能を身につける」
日本の労働力不足の解消
「日本で労働をする」
2. 業種・分野
90業種165作業
12分野
3. 転職
原則不可
可能
4. 受入方法
・団体監理型
・企業単独型
制限なし
(企業が直接雇用)
5. 受入人数枠
人数枠あり
(受入企業の常駐職員数に応じて)
上限なし
(介護・建設分野を除く)
6. 在留期間
技能実習1号:1年
技能実習2号:2年
技能実習3号:2年
特定技能1号:最長5年
特定技能2号:上限なし
7. スキル要件
特になし
日本語能力と相当程度の技能・知識
就労することのできる業種・分野、転職の可否、必要スキルなど、異なる点は様々あるので
採用を検討する際は技能実習・特定技能の違いを確認しておくことが大切です。

さて、ここからは技能実習と特定技能のメリット・デメリットを解説していきます。
受け入れの際の参考になれば嬉しく思います。

それぞれのメリットとデメリットは?

両者の違いを踏まえると、以下のような長所と注意点が挙げられます。

1. メリット

技能実習
特定技能
・転職ができないので雇用が安定する
・人材の確保が容易である
・受け入れ人数の制限がない
・即戦力の確保が期待できる
・日本語能力が比較的優れている
・低コストでの採用が可能
技能実習のメリットは、計画的かつ安定的に人材の受け入れができることだといえます。
基本的に転職ができないので、技能実習生は最低3年間は同じ企業で就労することになります。

対して特定技能のメリットは、即戦力の人材を受け入れられることだといえます。技能実習生と比べて日本語能力が高く、技能試験に合格してきているため、配属後すぐの活躍が期待できます。

2. デメリット

技能実習
特定技能
・未経験であるため育成が必要
・採用コストがかかる
・事務処理が煩雑
・転職されてしまう可能性がある
・候補者を集めにくい
・日本人と同等の就労条件・報酬が必要
技能実習のデメリットは配属前後の手続きや教育に時間と労力がかかる点です。
また、監理団体を経由する必要があるため、特定技能よりも採用コストがかかります。
 
一方で、特定技能のデメリットは人材確保の難しさと転職のリスクだといえます。
転職の自由が認められているため、企業は人材の定着施策をとる必要性があるでしょう。

しかし、当社であれば上に挙げたデメリットをカバーすることが可能です!日本語力が高い特定技能人材を早期に集めることができ、日本で実際に働いている人材の転職率も低いです。

まとめ

この記事では、技能実習・特定技能それぞれのメリットとデメリットをみてきました。

 受け入れを検討される際は、はじめに「募集する業務内容が、技能実習と特定技能のどちらにあてはまるか」を確認することが前提になります。 

その上で、

「安定的に外国人材を受け入れたい」という企業様は「技能実習」、

「即戦力になる外国人材がほしい」という企業様は「特定技能」が適しているといえるでしょう。

 本記事がご検討の際の参考になれば幸いです。

 今後の記事では、面接や採用のコツについても紹介していきます。

 ACE GROUPでは、外国人材の受け入れに関するさまざまなサポートを提供しております。外国人全般(技能実習・特定技能・技人国・留学生)の受け入れをご検討の企業様は、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

【必見】技能実習・特定技能 7つの違いま

外国人材が日本で働くための在留資格として「技能実習」「特定技能」がありますが、

両者には共通点も多く、違いが分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、技能実習・特定技能の7つの違いとそれぞれの特徴をまとめていきたいと思います。

目次
技能実習と特定技能の7つの違い
1. 目的と背景
2. 受け入れ可能な業種・分野
3. 転職の可否
4. 受け入れ方法
5. 受け入れ人数枠
6. 在留期間
7. 入国時のスキル要件(技能水準と日本語力)
まとめ

技能実習と特定技能の7つの違い

技能実習
特定技能
1. 目的
技能移転を通じた国際貢献
日本の労働力不足の解消
2. 業種・分野
90業種165作業
12分野
3. 転職
原則不可
可能
4. 受入方法
・団体監理型
・企業単独型
制限なし
(企業が直接雇用)
5. 受入人数枠
人数枠あり
(受入企業の常駐職員数に応じて)
上限なし
(介護・建設分野を除く)
6. 在留期間
技能実習1号:1年
技能実習2号:2年
技能実習3号:2年
特定技能1号:最長5年
特定技能2号:上限なし
7. スキル要件
特になし
日本語能力と相当程度の技能・知識
ここから、それぞれの違いについて詳しく解説していきます。

1.制度の目的と背景

    「技能実習」と「特定技能」は、制度の目的が大きく異なります。

    技能実習
    特定技能
    技能移転を通じた、開発途上国への国際協力
    人材不足が深刻とされる分野に外国人を受け入れ、労働力を補う
    技能実習の目的は、「技能の移転」を通した「国際貢献」です。
    日本で身につけた技術や知識を母国や開発途上国へ持ち帰り、国の経済発展を担うという「国際協力」のための制度になります。
    特定技能の目的は、日本における「人手不足の解消」です。
    こちらは2019年に新設された制度で、就労経験かつ一定の技能がある外国人を「労働者」として受け入れ、日本の労働者不足を解消しようという目的があります。

    2. 受け入れ可能な業種・分野

      技能実習と特定技能では、就業できる業種や分野が異なります。

      技能実習は90職種165作業、特定技能は12分野(+4分野)での受け入れが認められています。

      特定技能は単純労働も含み、技能実習よりも幅広く業務を行うことができます。

      技能実習
      特定技能
      農業(2職種6作業)
      漁業(2職種10作業)
      建設(22職種33作業)
      食品製造(11職種18作業)
      繊維・衣服(13職種22作業)
      機械・金属(17職種34作業)
      その他(21職種38作業)
      社内検定型の職種・作業(2職種4作業)
      ※職種・作業の詳細はこちら:https://www.mhlw.go.jp/content/001165663.pdf
      介護
      ビルクリーニング業(清掃)
      素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
      建設業
      造船・舶用工業
      自動車整備業
      航空業
      宿泊業(ホテル・旅館)
      農業
      漁業
      飲食料品製造業
      外食
      自動車運送業
      鉄道
      林業
      木材産業
      ※特定技能では、2024年4月に新たに4分野(自動車運送業・鉄道・林業・木材産業)が追加されました。

      3. 転職の可否

      技能実習は「原則不可」、特定技能は「転職可」です。

      技能実習
      特定技能
      原則不可
      (技能実習2号→3号は転籍が可能)
      可能
      (同一業種であれば)
      技能実習は、労働を目的としていないため、基本的に転職は認められていません。
      ただし、実習継続が困難な場合・実習生が希望する場合には、同一業種であれば「転籍」することができます。
      一方、特定技能は「就労」を目的とする在留資格であるため、転職が認められています。
      所定の手続きをすれば、同一業種内で就業先を変えることができます。

      4. 受け入れ方法

      技能実習は団体監理型が主流、特定技能は制限がないため様々です。

      技能実習
      特定技能
      ・団体監理型
      ・企業単独型
      制限なし
      (企業が直接雇用)
      技能実習の受け入れには、「団体監理型」と「企業単独型」があります。
      団体監理型は、送出機関と提携する監理団体を通して実習生を受け入れる方法で、全体の約98%がこの方法をとっています。
      企業単独型は、海外に支店を持つ日本企業に限られた受け入れ方法です。
       
      特定技能については、企業が直接雇用したり、仲介会社を利用したりなど、受け入れ方法に制限はありません。

      5. 受け入れ人数

      技能実習
      特定技能
      人数枠あり
      (受け入れ企業の常勤職員数に応じて)
      上限なし
      (介護・建設分野を除く)
      特定技能には、受け入れ人数の上限はありません。
       
      対して技能実習は、人材育成の観点から企業が適切な指導を行えるように、外国人の受け入れ人数に上限があります。

      6. 在留期間

      技能実習
      特定技能
      技能実習1号:1年
      技能実習2号:2年
      技能実習3号:2年
      (合計で最長5年)
      特定技能1号:最長5年
      特定技能2号:上限なし
      技能実習生は、技能評価試験を受けて合格して技能実習2号、さらに3号へ移行すれば、最長5年まで在留が可能です。
       
      しかし、技能実習は「技能移転」、つまり日本で学んだ技能を母国に伝えることが目的ということもあり、日本に長く留まる必要性がないために最終的には帰国するしかありませんでした。
       
      特定技能の制度創設後は、技能実習2号 / 3号から特定技能への移行が可能になり、引き続き日本に在留して働くことができるようになりました。
       
       
      一方で特定技能は、在留資格を更新することで最長5年間滞在することができます。
      特定技能2号には、在留期間の上限はありません。

      7. 入国時のスキル要件

      技能実習は、日本語能力と技能について、事前に必要とされるスキルは特にありません。一方で特定技能は、事前に日本語能力試験と技能試験に合格する必要があります。

      技能実習
      特定技能
      日本語能力
      特になし
      (介護職種はJLPT N4相当が必要)
      JLPT(日本語能力試験)N4
      JFT(国際交流基金日本語基礎テスト)A2
      技能
      特になし
      技能評価試験(分野別)
      ※「JLPT N4」は、日常的な場面でゆっくりと話される会話なら、内容がほぼ理解できるレベルです。N4 / A2以上を取得していることで、特定技能のビザを取得することができます。

      ここまで、技能実習と特定技能の7つの違いをまとめてきました。それぞれの細かい特徴は、下記の表を参考にしてみてください。

      出典:「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」出入国在留管理庁

      まとめ

      この記事では、技能実習・特定技能の7つの違いをまとめました。

      これら2つの在留資格は混同されがちですが、実はまったくの別物なんです。

      外国人材受け入れの際は、これらの違いを確認しておくことが大切ですね。

      今後の記事では、それぞれの在留資格における外国人採用のメリットやデメリットについても紹介していきます。

      ACE GROUPでは、外国人材の受け入れに関するさまざまなサポートを提供しております。外国人全般(技能実習・特定技能・技人国・留学生)の受け入れをご検討の企業様は、お気軽にお問い合わせください。

      お問い合わせはこちら

      ミャンマーで現地面接を行いました。San Famil

      日本の企業様が、5月9日に面接のため現地へ来られました。その際の動画をご覧ください。
      Amazing 日本語センターは、トップクラスの人材育成と日本語教育学校をお探しの方におすすめです。ご興味がございましたら、是非Amazingにご連絡ください!1